今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。
4/19~4/25週のサマリー
- Kelp DAOから約2.9億ドル分のETHが不正流出
- 米国とイランの停戦延長
- 米国とイランの和平交渉は停滞
- ビットコインの現物ETFに9営業日連続の資金流入
暗号資産市場概況
4/19~4/25週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+2.75%の12,370,950円、ETH/JPYの週足終値は同▲1.22%の369,465円であった(※終値は4/25の当社現物EOD[4/26 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は米国とイランとの和平協議の延期と停戦延長により上下に激しく動く相場となった。ただし、両者の軟化姿勢により、地政学リスクはやや緩和傾向にあるのか、投資家心理は改善し堅調に推移した。
週初19日、トランプ大統領が「イランとの和平交渉にあたる代表団がパキスタンに入る」と表明し、BTCは75,000ドルから76,000ドルまで上昇する。しかし日付が変わったころ、イランが米国との2回目の協議の参加を見送ったと報道されると急落し、一時的に74,000ドルを割り込む展開となった。その後、イランのペゼシュキアン大統領が「戦争は誰の利益にもならない。緊張緩和のためにあらゆる合理的かつ外交的な手段を用いるべきだ」と述べると再び上昇し76,500ドル付近まで回復する。米国もイランも代表団をパキスタンに派遣する予定で協議再開に向けて期待感が高まっていた。
しかし、21日にトランプ大統領が「イランは停戦協定を何度も違反した」とコメントをすると下落に転じ、また「いつでも軍事行動を起こす準備ができている」と発言し、バンズ副大統領のパキスタン訪問の中止が発表されるとBTCは75,000ドル以下にまで下落した。
22日にトランプ大統領が「協議が終結するまで停戦を延長する」とコメントすると軍事行動の再開懸念は後退しBTCは上昇に転じ、イランが「米国がホルムズ海峡の封鎖を解除する兆候を受けとった」と報道し、トランプ大統領が「イランとの協議は早ければ金曜日にも可能」との発言が伝わると、約2か月半ぶりの80,000ドル台目前の79,500ドル付近まで上昇した。
23日にイラン議会のガリバフ議長が「米国の海上封鎖が続く限り停戦は無意味であり、停戦違反が続く中でホルムズ海峡の再開は不可能だ」と発言すると下落に転じ、週末は77,500ドル付近を推移する。
SoSoValueのデータによるビットコイン現物ETFの資金フローを見ると、先週は約8億2370万ドルの純流入となり、4週連続の資金流入となる。また日次ベースで見ると9日間連続での純流入となり、ビットコイン現物ETFは中東情勢が緊迫化する中でも底堅い資金流入が継続されている。先週は特にブラックロック社のIBITが他社と比較して大きく買い越しており、glassnodeのデータによると平均取得単価は82,861.20ドルに低下する。
米国とイランとの協議が延期された日でも資金流入しており投資家心理は改善しているものと考えられる。今週も資金流入が継続しBTCの価格を押し上げていくのか注目したいところだ。
今週も中東情勢の動向がBTCの価格に大きく関与してくるだろう。先週の停戦延長や和平協議再開への期待が市場への安心感につながっており、今週は和平協議の進展があるかが注目される。一方で交渉が停滞した場合には下落要因にもなりかねないので、今週も米国、イランの政治家の発言により価格が変動してくるだろう。和平協議が進展し投資家心理が大幅に改善してくるようであれば、先週は超えられなかった80,000ドルを突破し、長いレンジ相場を抜け90,000ドルを目指す展開になるかもしれない。
1) BTC/USD週間チャート(30分足)
2) BTC/JPY週間チャート(30分足)
3)米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格
4)米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格
5)米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格
4/19~4/25週の主な出来事
4/26~5/2週の主な予定
【今週のひとこと】 Kelp DAO エクスプロイト被害
リステーキング領域で注目を集めるKelp DAOにおいて、エクスプロイト被害が発生し、市場参加者の間で改めてスマートコントラクトリスクへの警戒感が高まっております。今回の事案では、プロトコルの設計上の脆弱性を突かれ、資金が不正に流出したと見られており、DeFi領域におけるセキュリティの重要性が再認識される形となりました。
近年、Ethereumを中心に拡大するリステーキングやLRT(Liquid Restaking Token)といった新たな金融レイヤーは、利回り機会の多様化というメリットを提供する一方で、スマートコントラクトの複雑化を招いております。特に複数プロトコルをまたぐ構造では、単一のバグや設計ミスが連鎖的に影響を及ぼすリスクがあり、今回の事案もその典型例と位置付けられます。
また、DeFiプロトコルにおいては監査(Audit)の実施やバグバウンティ制度の導入が進んでいるものの、それでもなお完全にリスクを排除することは困難です。特に新興分野であるリステーキングは、EigenLayerをはじめ急速な成長を遂げている一方で、設計の検証が十分に蓄積されていない領域でもあります。そのため、利回りのみならず、プロトコルの成熟度やリスク管理体制を見極める視点が一層重要となっております。
総じて、本件はDeFiにおける「高利回りとリスクは表裏一体」であることを改めて示す事例と言えます。今後、プロトコル側にはセキュリティ強化と透明性向上が求められるとともに、利用者側においてもリスク分散や適切なデューデリジェンスの重要性が高まっていくものと考えられます。
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
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暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
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