ビットコインとイーサリアム、ともに年初来高値更新(暗号資産 週間マーケットレポート 4/17号)

特集 暗号資産 週間マーケットレポート

4/9~4/15週のサマリー

  • イーサリアムの大規模アップグレード「シャペラ(上海+カペラ)」が日本時間13日7時半頃に実装
  • ビットコイン、イーサリアムがともに年初来高値を更新

暗号資産市場概況

4/9~ 4/15週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+9.81%4,056,900円、ETH/JPYの週足終値は同+14.09%279,910円となった(※終値は4/15の当社現物EOD[4/16 6:59:59]レートMid値)。

今週は物価に関する経済指標やFOMCの議事要旨が発表、イーサリアムのシャペラアップグレードが実施される中、ビットコイン、イーサリアムともに年初来高値を更新し、ビットコインにおいては対円で昨年6月以来の400万円を回復した。

指標を振り返ると12日発表の3月米CPI(消費者物価指数)の総合指数 は、前年同月比+5.0%と、9カ月連続で鈍化。前月比も+0.1%と前月(同+0.4%)から減速した。CPIの発表を受け、米国市場では長期金利低下とドル安の反応がみられ、ダウ工業株30種平均など主要株価指数は上昇した。同日公表されたFOMCの議事要旨では、全会一致で0.25%の利上げが決定され、直前に発生した米銀の破綻などの銀行不安を受けて、FOMC参加者のうち数人が政策金利据え置きを検討したというややハト寄りの内容が確認された。

3月CPIの結果を踏まえると、現時点では5月FOMCでの25bpの利上げが有力視される。また、FOMC議事要旨にも記載のあった通り、銀行破綻からの金融システム不安、景気後退に配慮しつつ、これまでの金融引き締め効果を見極めるために5月以降は利上げ停止という観測も強まってきたものと思われる。いずれにせよ、予想通りの発表内容であったことから、5月以降の利上げの打ち止めが意識されたこともあり、主要株式指数は高値圏で底堅く推移した。

暗号資産市場では、週初から米消費者物価指数(CPI)やイーサリアムのシャペラアップグレードを前に、3月末から続いた高値レンジの上放れからのスタートとなった。

ETH主導で一時的に下げる場面はあったものの、シャペラアップグレードが13日朝方に問題なく予定通り実施され、事前に懸念されていたロックアップ解除による売却フローも限定的でETH価格に大きな影響がないことが確認された後、安心感からETHは上昇を見せた。

BTCも連れ高し、結局BTC、ETHともに年初来の高値を付ける格好となり、その後高値圏でもみ合う展開で週末を迎えた。

今週は米株反発からのリスク性資産への資金流入を背景に、暗号資産市場も底堅く推移する展開が予想される。またETHのロックアップ後の売買動向、米国企業の決算ラリーにおいて、景気後退が市場に影響を与えうる可能性も燻ぶっている状況であることから、突発的なトレンドの変化にも気を配りたい。

1:BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

2:BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

3:BTC/USD(橙色), ETH/USD(青色) 週間騰落率(30 分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

4/9~4/15週の主な出来事

4/16~4/22週の主な予定

今週のひとこと「ドージコイン」

ドージコインは、ビットコインから派生した暗号通貨で、犬の顔のシンボルマークが特徴となっています。2013年にプログラマーのビリー・マーカス氏およびジャクソン・パルマー氏によって、当初はジョーク・パロディとして作られたものでしたが、2023417日現在、暗号資産市場全体での時価総額は8位と世界中の多くの取引所でも取り扱われています。

かつてはスペースXやテスラ社を率いるイーロン・マスク氏がTwitter上で頻繁にツイートすることで大きな価格上昇や下落を演じたこともあり、直近では、これまたイーロン・マスク氏が代表を務めるTwitterのアイコンが一時ドージコインのシンボルマーク柴犬「かぼす」になったことで大きな価格の上昇がありました。

いわゆる「ミームコイン」の代表としての扱いを受けることも多く、「ミームコイン」全体の動向がドージコインの値動きに影響を受けやすいため、ドージコイン価格をベンチマークとして参考とする投資家も多く見られます。こういった背景から、投資をする際は一つの事象やニュースに影響されることなく、十分な情報を収集したうえで判断する必要があることはくれぐれもご留意いただきたいと考えます。

このレポートについて

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この記事の著者・インタビューイ

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