「常識や平均を突破できさえすれば、ビジネスや仕事なんて超イージーゲーム 」箕輪厚介という、あたらしい経済時代の働き方 13,000字インタビュー(2)

特集 「あたらしい経済」時代の働き方

箕輪厚介

世の中はリアリティショーを求めている

—箕輪さんがここまで話題になっている理由は自身でどのように分析されていますか?

今の時代はコンテンツとして、やはり「リアリティ」が求められてきていると思っています。

僕はまず「箕輪編集室」というオンラインサロンを会社員なのに立ち上げました。正直当時は「NewsPicks Book」の仕事で毎月1冊本を出版しなければならず、自分の仕事を一緒にしてくれる仲間をなんとか集めたいという想いからでした。

はじめは数十人だったメンバーも次第に増えていくと、会社員なのにオンラインサロンを運営しているということで、新しい働き方みたいな切り口で雑誌やWEBメディアに取材して貰えるようになりました。そうすると社内外の人も騒ぎ出すんです、あいつ何やってるんだって。

そういう話題が広がって、並行して本業で僕が作った本がどんどんベストセラーになっていくと、次第に出版以外のコンサルの案件などが来るようになりました。

そんな案件の中で下着メーカーのコンサルをすることになり、勝手に「パンティ箕輪」とか名乗り出していました。そうしたら「NewsPicks Book」というスマートな場所で編集長をしながら、一方で下着のコンサルをして「パンティ箕輪」と名乗ってもいいの? みたいに周りのみんなやインフルエンサーの人たちが面白がってくれて。その頃は確かフォロアーが数千人だったと思います、ほとんど影響力のない頃でした。

そのうち僕がAmebaTVに出演することになって、そうするとパンティがネットTVに出るぞ、みんなコメントでパンティと書き込もう!みたいに騒いでくれて。そしたら見城さんにも「パンティでなんだよ」って言われたり、メタップスの佐藤さんにも冷静に「名前がパンティになったんですね」って打ち合わせの時に言われたり(笑)。

そこから「情熱大陸の取材が来ないから自分で箕輪大陸を作ろう」と思って、サロンメンバーと一緒に映画を撮り始めました。撮影チームが500時間ぐらい僕に密着してくれていたんですが、なので社内の会議や著者との打ち合わせにも、数人の撮影クルーが同席するようになったんです。そしたら打ち合わせ相手もなんだか凄い人じゃないかと思ってくれたり、街を歩いていても芸能人なのか間違われたりしだしました。ちなみにその映画は無事完成し8月28日から全国でロードショーしています。

これらは一部の例ですが、本当にこんな感じで職種とか会社とかの既成概念に囚われず、ひたすら自分が本気でやりたいことに打ち込んでいった結果、「テラスハウス」とか「あいのり」みたいにリアリティショーとして僕自身が変化し始めました。そしてそれを見て周りの人たちもどんどんと騒いでくれるようになりました。僕が次々と新しいことを始めるのにみんなワクワクしてくれたんです。

それらが全てウケけたのも、リアリティがあったからだと思っています。地上波のテレビ出演するときに劇団四季みたいな濃いメイクで出演したり、水道橋博士とHATASHIAIで格闘技することになったりするのも全て「いつもツイッターを見ているあの箕輪が!」みたいな親近感やリアリティがあったから盛り上がるんだと思います。

ある種、現在のネット上の面白コンテンツって、一周回ってリアルじゃなくなって、衰退した気がするんです。多くの面白系のインフルエンサーの人も、面白い記事を書くために面白いことをやるようになっちゃってると思います。それは芸人さんが芸をやることが面白くないみたいな現象と同じで、リアリティがない。

今はリアリティショーが求められているので、だからこそ、そういう意味でも多くの人たちにチャンスはあると思っています。

僕もパンティ箕輪とか、本当に子供の悪ふざけの延長みたいなことが拡大して行って、雑誌やテレビに取り上げられて箕輪って面白いよねとなっている。それは普段本を作ってる人がめちゃくちゃな人生を送っているというリアリティがあるからです。

波が来た瞬間に熱狂するということが大切

−ちなみにこの一年間で「自分の波が来るな」と感じたタイミングはありますか?

自分の波が来るなと1つのポイントで意識したことはないです。逆に言うと常にどこに波が来るのかというのを常に意識しています。そしてその瞬間瞬間で波を見つけてその波に乗るという感じでした。サーファーみたいな感じですね、その瞬発力が大切だと思っています。

編集長をやっている「Newspicks book」も『多動力』とか『人生の勝算』が一気に売れたから、これは波だと思って一気に体重をかけただけです。だから最初からこの波を大きくしようとは思っていませんでした。

逆にそもそも波になっていないものはみんな忘れるから、やめてもいいかもしれない。

本にも書きましたが、関わるメンバーや周りの近い人たちが熱狂しないってことは時代が来ていないっていうことなので、やめてしまってもいいと思っています。

だから同時並行で20も30もプロジェクトを動かしておいて、「来たな」と思った瞬間に「これが僕の一番のプロジェクトです」って言って体重を一気に乗せるような感じです。

波をずっといろんなところで待っておいて、波が来た瞬間に熱狂するということが大切だと思います。

そして波をみつけたら、圧倒的にその波に乗ることが大切です。圧倒的に舵を切るんです。

それは僕の性格も影響しているかもしれないです。どうしても僕は中途半端なことはできない性格なんです。やりたくないことはやらないし、やると決めたら気が狂ったようにやることしかできないんです。バランスよく全部ちゃんとやることができないんですよね。でも僕は好きなことなら永遠にできます。

例えば、家事や子供の世話をするのも無理なんです。「子供のオムツを変えているこの3分で時代を変えられたかもしれない、作った本の部数が増えるチャンスがあったかもしれないと思っちゃうんです。例えばこの本を売ろうと考えている時は、どんな状況でもTwitterで拡散しないことで大切なチャンスを逸してしまうかもしれないと感じてしまいます。そうすると他のことはできなくなる。人間としては終わっていると思います。

それはずっとゲームをやっている子供に近いと思います。子供が夢中でゲームをやっているときに取り上げると発狂するように怒りますよね。多分、ゲームをやっている子供は常にとんでもないアドレナリンが出ていて、今取り上げられたら今までの全てがパーになってしまうという状態なんだと思います。

常識や平均を突破できさえすれば、ビジネスや仕事なんて超イージーゲーム

僕も双葉社にいた時は熱狂してなくて「やりたいことないな」と思って、転職サイトを見ていたような時期もありました。

でも見城さんの本の編集が始まったら、寝ても覚めてもそれしか考えない状態になりました。だから「0か100か」で。そうなると自分で仕事しているっていう感覚がない状態ですね。

やっぱり自分か心からこれをやりたいと思わないとダメなんです。それは一番大事で、熱狂していないのに業務的にやり始めると心に膜ができて、偽りの自分に慣れてしまってしまうんです。そしてなんとなく頑張るという状態になってしまう。

ルーティーンで何かをやっちゃいけないんです。「やりたくない時はやらないが、やりたい時はなりふり構わずやりまくる」というのが最も僕が大事にしていることです。

そうすれば簡単に成功できると思います。常識や平均を突破できさえすれば、ビジネスや仕事なんて正直超イージーゲームだと思っています。

どれだけ自分の時間も生き方も張るか

多くの人がそこに踏み込めないのは何故なんでしょうか?

洗脳ですよね。今まで学校や会社に縛られて来て、「このラインからは絶対に出るなよ」というラインが見えちゃっているからだと思います。

CAMPFIREの家入さんにせよ、一度成功した人は仮に転落したとしても、なんとかなるパターンが多いと思います。

よく成功者は「結局リスクを張るかどうかだ」と言いますが、僕もある程度今ブレイクしてその本当の意味がわかりました。

「どれだけ自分の時間も生き方も張るか」だと

例えば僕の場合は波を感じてから「Newspicks book」に張ると決めていました。家庭だとか遊びだとかそれ以外のものを一回全て捨てて、これ以上は一滴も絞り出せないというレベルまで全力を注ぎ切ったんのです。1点掛けでした。そこを平均的にやってしまうと絶対に突き抜けなかったと思います。

そして一点掛けして、突き抜けると持続は以外と長い。おそらく多くの成功者にはそれが分かっているという共通点があると思います。

ブロガーのイケダハヤトさんも仮想通貨の波が来た時に、異常なまでに仮想通貨に関する記事を書いていましたよね。

キングコングの西野さんも今、異常なまでにオンラインサロンを推していると思います。それは「会員が1万人を超えたら完全に突き抜けて王者になれる」と分かっているからだと思います。

与沢翼のダイエットも同じ。

いろいろなことには先行者メリットもありますが、圧倒的にそこに注力する、全ベットすることが大切です。成功する人は中途半場が一番ダメなことをよく分かっているんです。

ただ一方で難しいのはそれが「金を儲けるため」という目的になってしまうと、どうしてもマネタイズしやすい方向に舵を切ってしまって、結局レッドオーシャンに絡め取られてしまうんです

なので、「儲けるため」ではなく「自分が寝食忘れて取り組める好きなものを見つけたら、なりふり構わずそれに全力投球する」のがいいと思います。そうすると気づいたらその分野で突出した能力を持つことができているんです。そうなればお金は後から付いてくると思います。

(つづく)

次回のインタビューはこちら
→「やりたくもないし、価値もないと思ってやっていることは、今この瞬間に辞めても誰も困らない」箕輪厚介という、あたらしい経済時代の働き方 13,000字インタビュー(3)

前回のインタビューはこちら
→「個としての力をつけろ、会社はこうあるべきという幻想を壊せ」箕輪厚介という、あたらしい経済時代の働き方 13,000字インタビュー(1)

編集:設楽悠介(幻冬舎)・伊藤工太郎(幻冬舎)

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NewsPicks Book編集長 箕輪厚介の初の著書。ベストセラー連発! わずか1年で100万部突破!天才編集者の革命的仕事術がここに明かされる!

堀江貴文『多動力』、落合陽一『日本再興戦略』、佐藤航陽『お金2.0』、前田裕二『人生の勝算』など、最前線で戦う起業家の著書を次々にベストセラーにしてきたその「剛腕」の秘密。幻冬舎に身を置きながらも月給の20倍もの収益を副業で稼ぎだす方法。オンラインサロン「箕輪編集室」を主宰し1300名を集め、さまざまなイベントやプロモーションで「熱狂」を生み出していく手法。

本書では新時代の哲学を体現する箕輪氏の「働き方」を、32の項目として立てて紹介する。

(マガジンハウス刊)

この記事の著者・インタビューイ

箕輪厚介

1985年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、2010年双葉社に入社。ファッション雑誌の広告営業としてタイアップや商品開発、イベントなどを企画運営。広告部に籍を置きながら雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊しアマゾン総合ランキング1位を獲得。2014年、編集部に異動。『たった一人の熱狂』(見城徹)、『逆転の仕事論』(堀江貴文)を編集。その後幻冬舎に移籍し、2017年にNewsPicks Bookを立ち上げ、編集長に就任。『多動力』(堀江貴文)、『お金2.0』(佐藤航陽)、『日本再興戦略』(落合陽一)、『人生の勝算』(前田裕二)などを編集。創刊1年で100万部突破。また1300名の会員を擁する日本最大級のオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰。既存の編集者の枠を超え、様々なコンテンツをプロデュースしている。著書に『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス刊)。

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「やりたくもないし、価値もないと思ってやっていることは、今この瞬間に辞めても誰も困らない」箕輪厚介という、あたらしい経済時代の働き方 13,000字インタビュー(3)

本当に価値があるものを生み出している人や経済活動は本当に少ないと思います。 そしてその無駄があって壮大に現在の経済は回っているのも事実なんですが、いまの若い人達は「要らないものを作って要らないものを消費していること」が、くだらないなと思っている。要らないもの作るよりシェアすればいいじゃんみたいに。 そういう時代においては無駄に作られたものよりも、遊んでいるようなことの方に価値が出てくるわけです。