ゲームとブロックチェーンの両業界に精通した巨人たちが挑む、オンチェーンFPSゲーム「Shrapnel」とは?

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「Shrapnel」とは?

「Shrapnel」はオンチェーンFPS(一人称視点シューティング)ゲームだ。

これまでそれぞれの領域で実績のあるゲームデベロッパー、ブロックチェーン技術者で構成されたチームが開発する、AAAのハイクオリティ・ブロックチェーンゲームだ。ゲーム要素にNFTを活用したプレイヤーカスタマイズなどを融合させ、クリエイターエコノミーの実現も目指している。ゲームは2023年にはアーリーアクセスが開始され、2024年にフルリリースされる予定だ。

「Shrapnel」公式サイトより

また「Shrapnel」チームは、このゲーム開発だけでなく、従来のWeb2ゲームデベロッパーがWeb3へ「ブリッジ」するためのインフラを担う計画もあるという。

この記事では「Shrapnel」のマーケティング担当Tony Valcarcel氏が、「KudasaiJP」にて今年10月に日本ユーザー向けに行なったAMA(Ask Me Anything)の内容をお届けする。

オンチェーンFPSゲーム「Shrapnel」とは?(AMA本編)

Q:自己紹介を兼ねて、あなたの経歴やShrapnelのチームについて教えていただけますか?

Tony Valcarcelです。現在、「Shrapnel」でWeb3マーケティングのプロフェッショナルとして働いています。それ以前は、数千万人のユーザーを持ち、ストリーマーやプレイヤーに愛されている世界的なロイヤリティ・プログラム、Twitch Prime(現在はPrime Gaming)の設立チームにいました。

「Shrapnel」チームは、AAAゲームやブロックチェーン・プロジェクトの業界エキスパート(ゲーム、テレビ、映画、グラフィックノベル関連で働くデザイナー、プロデューサー、アーティスト、プログラマー)で構成されています。私たちは、世界最大のゲーム シリーズ(Bioshock、Ghost of Tsushima、Haloのリマスター、レッドファクション:ゲリラ、スターウォーズ、ハリーポッターなど)を制作してきました。

チームのリーダーは、これまでの作品でエミー賞やBAFTA(英国アカデミー賞)を受賞しており、「Shrapnel」はこれまでにすでに6つの業界賞を受賞しています。「Shrapnel」のリード・デザイナーの一人は『Ghost of Tsushima』のリード・デザイナーでもあり、 彼はチームの誰よりも日本でのリサーチに時間を費やしています。

Q:「Shrapnel」について紹介していただけますか?  既存のソリューションが解決できていないどんな問題を解決できるのでしょうか? また競争上の優位点は何ですか?

「Shrapnel」は、MEF(Mercenary Extraction Force:傭兵部隊)オペレーターとして戦うファーストパーソン(一人称視点)脱出シューティングゲームです。ゲームプレイは競争的で激しいものです。

ゲームの舞台は、2038年、小惑星が月に衝突し、数年後、危険ではあるものの貴重な隕石が繰り返し降り注ぐ地球。プレイヤーの使命は、この神秘的な隕石物質を収集し、軍事戦闘でサバイバルし、生きて脱出することです。進行システムは、オペレーター(キャラクター)に長期的な目標と報酬を提供します。それは究極の一か八かの宝探しです。

私たちの競争優位性は、チームの血統、真のプレイヤーオーナーシップ、そしてクリエイターツールです。私たちのゲームチームは、巨大なゲームフランチャイズの出身者であり、ブロックチェーンチームは、ConsensysとMicrosoft出身のブロックチェーンの巨人、Marc Mercuriが率いています。

ブロックチェーンのおかげで、プレイヤーは自分自身を表現し、(スキンなどの)コンテンツを所有し、「Shrapnel」で互いに取引することができます。またクリエイター・ツールも提供しますので、ゲームを作ったり改造したりするのが好きなプレイヤーにもおすすめです。

Q:このプロジェクトのためにチームが構築した技術やプロトコルは? または、チームが適用している注目すべき技術はありますか?

私たちのGame Bridgeは、Web2のデベロッパーが数クリックでWeb3と統合できる「オール・イン・ワン」のモジュラー・マルチチェーン・ソリューションとして機能します。Bridgeは、Web3の機能を簡単に追加したいゲームデベロッパーが直感的に使えるように設計されています。

このテクノロジーによって、ゲーム開発者は楽しいゲームを作ることに集中し、ブロックチェーンの複雑さについては気にせず開発を進められます。「Shrapnel」は、Game Bridgeテクノロジーの最初の顧客とも言えるでしょう。私たちのゲーム内改造ツールセットにより、「Shrapnel」内でより多くのモードやマップを作成できるようになります。

また当社のチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるColin Foranが好んで言うように、「Shrapnel」でマリオ・カートのバージョンを作ることはできませんが、他のデベロッパーがGame Bridgeを使って全く別のゲームを作りたいのであれば、当社はそれを可能にします。

さらに「Shrapnel」では、Avalanche上に独自のカスタムサブネットを構築しましたが、私たちのプラットフォームは他のエコシステムとのブリッジをサポートし、ユーザーに柔軟性とオプション性を提供しています。

Q:これまでに達成した主なマイルストーンと、今後のマイルストーンをスケジュールと合わせて教えていただけますか?

「Shrapnel」の開発初期から、多くの好意的なフィードバックをいただいています。最近、Consensysでゲームのデモを行いましたが、「Shrapnel」はこのカンファレンスで2番目に参加者の多いブースとなりました。

今後は、12月のEpic Games Storeでのアーリーアクセスローンチに向けて準備を進めています。そのローンチに向けて、「Shrapnel」の最初のバージョンにアクセスできるExtraction Packを限定数リリースする予定です。まもなくこのパックの販売が開始されます。

2024年の後半には、「Shrapnel」のフルリリースを行う予定です。なおこのゲームはFree-to-Playです。

Q:これまでのプロジェクトで苦労したことはありますか? それをどのように解決しましたか?

幸運なことに、私たちのチームはゲームとブロックチェーンの両方の領域で多くの経験を積んできました。だからそれぞれ分野で直面する多くの課題に備えることができました。。

もちろん、業界のボラティリティは課題です。例えば、ブロックチェーン・プロジェクトやゲーム業界の統合に影響を与えるようなニュースを目にしたとき、私たちのロードマップに与える影響については考慮しています。私たちがコントロールできる範囲外ではありますが、自分たちが作っている製品と、それを一緒に作っている人々に対して確信を持っています。

また私たちはシアトルに拠点を置くことで、素晴らしい人材プールにアクセスすることができます。シアトルはゲーム産業とハイテク産業の中心地です。そこにおいての課題は、Xbox、ソニーのスタジオ、Bungie、Amazonゲーム、EA/Popcap、その他何十ものスタジオと才能を競い合うことです。私たちはよくやっていると思っています。私たちが採用した優秀な人材をとても誇りに思っています。

Q:マーケティング戦略を教えてください。初期のユーザーをどのように獲得しようと考えていますか?

私たちは様々なマーケティング戦略を組み合わせています。複数のチャネルにわたる従来のゲームの有料メディアだけでなく、初期のサポーターとの「Web3 ネイティブ」なコラボレーションも行っています。また、強力なインフルエンサー・ネットワークがあるので、(アーリーアクセスのリリースが近づくにつれて)適切な時期に活用する予定です。

さらに、APAC、LATAM、MENAなど、チームの存在感が薄い地域での戦略的な関係の構築も続けています。

ちなみに昨日はDiscordでゲームプレイを直接配信しましたし、年末までより頻繁に配信する予定です。DiscordやTwitterをチェックして、次の配信にご期待ください!

Q:最近ハッキングの事件が多発していますが、セキュリティ対策は?

私たちのチームはセキュリティを非常に重要視しています。ブロックチェーン側ではFireblocks、Moonpay、Layerzero、Ava Labsといった信頼できるサードパーティプロバイダーと協力しています。

ゲーム側では、当社の開発者はXBox時代からの深い経験を持っており、当社のアンチチート・ソリューションは堅牢で実績があります。さらに、私たちのコミュニティはお互いを守り、常に警戒しており、なりすましアカウントやフィッシングの試みに電光石火の速さで対応しています。

Q:運営を維持するための収入源はどのように確保していますか?

Free-to-Playゲームで一般的な、実績のあるマネタイズ方法の多くを採用します。

例えばプレイヤーは、コスメティックでオペレーターをカスタマイズすることができます。エクストラクション・シューターモードでは、プレイヤーは対戦でギアを失う可能性があり、その場合にはギアパックを購入して素早く戦いに復帰できるようになります。

さらに、「Shrapnel」マーケットプレイスでのトランザクション手数料や、プレイヤーが作成、公開、販売できるクリエイターツールからの収入もあります。詳細は「Shrapnel」のホワイトペーパーエコノミクスペーパーをご覧ください。

Q:現在の投資家はどのような方々ですか?

私たちは、非常に強力な投資家の皆様(Griffin Gaming Partners、Polychain Capital、Brevan Howard Digital、Franklin Templeton、Dragonfly、Mechanism Capital、Sfermion、Spartan、IOSG)からご支援をいただけています。それに感謝するとともに、身の引き締まる思いです。

また、エンジェル投資家にはSlim(Valorant共同創設者)、Denis””Thresh””Fongなどがいます。

あわせてこちらもご参照ください。

Q:企業やプロジェクト、著名な開発者などとの契約はありますか?

私たちはRazerの公式パートナーであり、私たちのゲームはEpic Games Storeに掲載され、Parallelのような他の優良なWeb3ゲームプロジェクトと定期的に提携しています。

https://twitter.com/Razer/status/1542583878333988865

https://twitter.com/playSHRAPNEL/status/1704937812615704804

また、YouTubeのトップクラスのゲームストリーマーであるMythと顧問契約を結んでいます。彼はゲームが大好きで、当社のゲームデザイナーと定期的にミーティングをしています。

Q:「Shrapnel」に関するニュースや最新情報で、私たちに伝えたいことはありますか?

ご興味のある方は、今すぐEpic Game Storeで「Shrapnel」のwish-listを作成してください。

また、10月中には「Extraction Packs」をリリースする予定です。「Extraction Packs」には、ゲーム内のコスメティックアイテムや消耗品アイテムが多数含まれており、アルファ版のゲームをプレイすることもできます。

このアーリーアクセスリリースは私たちにとってエキサイティングなものです。ゲームプレイに関する事前のフィードバックを得ることができ、プレイヤーは限定報酬を獲得することができます。

「Shrapnel」のアカウント登録はこちらからできます。

KudasaiJPコミュニティからの質問

Q:ゲームのデモ画面だけで人々を魅了し資金を集め、その後開発を中止してしまうゲームプロジェクトがありますが、そのようなプロジェクトと「Shrapnel」の違いについてご説明ください。

あなたのおっしゃる他のプロジェクトと「Shrapnel」の最大の違いは、私たちは開発開始から2年が経過しており、1年中イベントでゲームのデモを行っていることです。

また、ゲームプレイをDiscordでストリーミング配信していますし、Epic Games Storeにもページを開設し、数ヶ月後にはアーリーアクセスに移行する予定です。

Q:舞台は日本のようですが、なぜ日本を選んだのでしょう?

CEO、アート・ディレクター、リード・ゲーム・デザイナー(『Ghost of Tsushima』にも参加)を含め、私たちのチームには日本と日本文化が大好きな人がたくさんいるんです。だから私たちの最初のマップは日本の島が舞台です。

Q:FPS初心者でも楽しめるようなゲーム設計なのでしょうか? 

はい、なにしろ実は私は FPS ゲームが大の苦手なんです。しかし、ゲームに飛び込み、できる限り多くのシグマ(資源)をあさり、同僚に倒される前に脱出するのはとても楽しかったです。

Q:「Shrapnel」をプレイするにはWeb3ウォレットに関する知識が必要ですか?

ウォレットの知識がなくても、すぐ「Shrapnel」のアカウントを作成することができ、そのアカウントは今年後半にEpic Games Storeからゲームがダウンロード可能になった際のログイン認証情報となります。

Q:ゲーム内でキャラクターの死亡時にNFTをドロップするそうですが、ゲームが上手くないので不安です。必ずドロップしてしまいますか?

それぞれのマッチ時にどのアイテムを持ち込むか、つまりどのアイテムをドロップのリスクにさらすかを選択できるようになります。

マッチメイキングでは、ゲームスキルと、プレイヤーがマッチに持ち込むギアの価値の両方が考慮されるため、プロプレイヤーがギアなしでマッチに参加し、フル装備のスキルの低いプレイヤーを一掃するようなことはありません。

Q:長期的には、エコシステムにおけるコールサイン(プレイヤーを一意に識別する公開名)の役割をどのように考えていますか? 将来、ユーザー エクスペリエンスを向上させる可能性のあるコールサイン機能をさらに開発する計画はありますか?

コールサインは最終的に「Shrapnel」ユニバース内でのあなたのアイデンティティとなり、ゲームプレイのステータスを追跡(そして誇示)し、あなたが作成、略奪、売買・トレードしたコンテンツを閲覧、共有し、あなたがプレイしているときに他のプレイヤーからどのように見えるかをカスタマイズできるようにします。

Q:日本のゲームで好きなタイトルはありますか?

ファイナルファンタジーのタイトルはすべて一度以上プレイしたことがあり、また私はキャリアの初期に任天堂で働いていたこともあって、任天堂のゲームはどれも大好きです(実は私も背中には1upのキノコのタトゥーがあります)。

Q:INSIGNIA(紋章)で用意されているデカールの種類を増やす予定はありますか? 具体的には角丸の四角形、角丸の三角形、英数字、記号等も使えたら表現の幅が広がるので嬉しいです。

「Shrapnel」の世界で自分たちのブランドを表現したいパートナー・プロジェクトからのイメージだけでなく、新しいシェイプやフォームも追加していくつもりです!

私たちは、INSIGNIAツールから生まれたクリエイションに興奮していますし、この製品にさらに投資していくつもりです。

Q:月にだいたいどのくらいの課金を行ってプレイすることを想定されていますか?

このゲームはフルリリース時にはfree to playになります。このプロジェクトを支援し、早期にプレイしたい人は、Extraction Packを購入することができますが、アーリーアクセスを終了したら必ずしも必要ではありません。

Q:日本のマーケットに何を期待しますか?

私の経験では、日本のマーケットには情熱的なゲーマーがたくさんいて、彼らはどうすればゲームをプレイするのも見るのも楽しくなるかについて、素晴らしい洞察力を持っていると考えています。

私が任天堂でキャリアをスタートさせてよかったと思うことの一つは、ゲーム業界について非常に日本的な見方が早くからできたことです。

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この記事について

スピーカー:Tony Valcarcel(Shrapnel マーケティング)
司会進行:neko
翻訳:nori
実施日時:2023/10/06 22:00
会場:KudasaiJPテレグラムグループ / ツイッタースペース

「KudasaiJP」について

「KudasaiJP」は2020年に創設された暗号資産コミュニティ。DeFi、NFT、GameFiなどトレンドを重視した情報共有の場として活用され、2022年にはTwitterフォロワー7万人、テレグラムグループ2万人の日本最大級のグループに成長しました。2021年に日本語翻訳付きの質疑応答会を開始し、初期段階にある海外プロジェクトを中心にコミュニティに向けて紹介してきました。2022年時点で160件の実績がある唯一無二のグループです。KudasaiJPコアメンバーは全員がコミュニティ出身であり、KOL(Key Opinion Leader)、翻訳家、エンジニア、デザイナー、リサーチャーなど30人以上で構成されており、AMAのみならず、ブロックチェーンスタートアップの計画・開発からコミュニティ拡大まで、多面的な成長支援ソリューションを提供しています。

本AMAは、ブロックチェーンスタートアップが業界での成長と露出を加速するのを支援する活動の一つとして実施したものです。また本記事の掲載は「KudasaiJP」と「あたらしい経済」の提携により実現しました。

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※本記事は2023年10月6日に、「KudasaiJP」で開催されたShrapnelのAMA(Ask Me Anything)の内容を一部再編集したものです。

※この記事は一般的な情報の提供のみを目的として配信しているものであり、いかなる暗号資産、有価証券等の取得を勧誘するものではありません。また、当社及びKudasaiJP、インタビューイによる投資助言を目的としたものではありません。暗号資産投資にはリスクが伴います。投資を行う際はリスクを了承の上、ご自身の判断で行っていただくよう、お願い申し上げます。

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KudasaiJPは2020年に創設された暗号資産コミュニティです。 DeFi、NFT、GameFiなどトレンドを重視した情報共有の場として活用され、2022年にはTwitterフォロワー7万人、テレグラムグループ2万人の日本最大級のグループに成長しました。2021年に日本語翻訳付きの質疑応答会を開始し、初期段階にある海外プロジェクトを中心にコミュニティに向けて紹介してきました。2022年時点で160件の実績がある唯一無二のグループです。 KudasaiJPコアメンバーは全員がコミュニティ出身であり、KOL(Key Opinion Leader)、翻訳家、エンジニア、デザイナー、リサーチャーなど30人以上で構成されており、AMAのみならず、ブロックチェーンスタートアップの計画・開発からコミュニティ拡大まで、多面的な成長支援ソリューションを提供しています。