新しい個人の夢や目標の達成を応援するプラットフォームを目指して〜ドリーム・シェアリング・サービス「FiNANCiE(フィナンシェ)」創設者・國光宏尚氏インタビュー(3)

特集 ドリーム・シェアリング・サービス「FiNANCiE」の正体

國光宏尚

「FiNANCiE」は達成したい夢を持つユーザー(ヒーロー)がヒーローカードを発行でき、またそれを応援するユーザー(ファン)がそのヒーローカードを購入することができるファン・エコノミー時代のあたらしいコミュニティ・サービスだ。

ブロックチェーン技術も採用している、この次世代SNS「FiNANCiE」のオープンβ版公開にあわせ、gumiの代表取締役会長であり「FiNANCiE」の創設者である國光宏尚氏へのインタビューの第3回を公開!

「FiNANCiE」の由来

−ここからは「FiNANCiE」について具体的にきかせてください。まずなぜ社名とサービス名を「FiNANCiE」にしたんですか?

「FiNANCiE」ってフランス語で焼き菓子の意味と、金融・資本家っていう意味があるんです。英語で言うとファイナンスですよね。そして今までの時代の資本家はお金とか土地とかを持った人のイメージでしたが、新しい資本家は、自分に協力してくれる人、賛同してくれる人、サポートしてくれる人を持っている人ではないかと思っています。「自分の夢に協力してくれる人たちをいっぱい持っている人っていうのが、新しい時代の資本家」というメッセージを社名とサービス名に込めています。

あと、最初に僕がつくったgumiという会社は、名付けた時の意味は1組2組の「組」の意味だったんですけど、みんなにお菓子のグミだと言われることが多くて、そのあとに作ったCandeeという会社もお菓子の名だし、だから次もお菓子の名前にしようかと考えたのも、「FiNANCiE」という名前にした理由です(笑)。

FiNANCiEが流動性の課題を解決する秘策

−「Bancorアルゴリズム」の採用には驚きました

現在もブロックチェーンを使ったいろいろなサービスがありますが、それらの課題の多くはトークンの流動性がないことだと思っています。「FiNANCiE」にとっても発行したヒーローカードの流動性は、特にユーザー数の少ない初期段階に課題となると考えていました。

だから「FiNANCiE」では「Bancorアルゴリズム」を利用した分散型販売スマートコントラクトを実装しました。この仕組みは「ヒーローカード」と円の両方をシステム上に準備高として供託し、双方の準備金残高に応じてヒーローカード価格を自動決定する仕組みです。

この仕組みをヒーローカードのマーケットプレイスに導入することで、ユーザー同士の交換によらず成立でき、流動性の課題解決をすることができると考えています。

−サービス開始にあたってヒーローカードを発行する「ヒーロー」をどのように選定したのですか?

独自の審査基準で選びました。具体的にその基準は非公開ですが、本質的にいろいろなことで頑張っていて夢を実現させるという強い想いのある人を選んでいます。そして今回は今の時点で成功している有名な方はあえて選びませんでした。それはそういう方を避けているわけではなく、むしろ今有名な方には応援する側、つまりヒューマンキャピタリストの方で活躍していただきたいと思っているからです。

「FiNANCiE」のヒューマンキャピタリストとヒーローは、VCとスタートアップの関係

—そのヒューマンキャピタリストの役割はなんでしょうか?

簡単に言うとスタートアップ企業にするベンチャーキャピタリストのポジションですね。

起業家がスタートアップを作るときは、実は何もなくて、でも夢は大きくあってという状況なんですよね。そんな起業家はビジョンをベースに、支援者とか賛同者を集めて大きくなっていく。それを支えていくのがベンチャーキャピタリストの役目です。

僕は「個人トークン」を購入して支援する仕組みを作りたいと思って、ヒューマンキャピタリストという言葉を作りました。起業家と同じように、若くて夢があるけどお金がない、そしてどうやって成功したらいいか分からないという人達が多いと思っています。

そんな人たちをスタートアップに対するベンチャーキャピタリストと同じように、支えて成長させていくことが、「FiNANCiE」のベースのコンセプトです。夢を持った人を応援して、一緒に並走しながら成功まで持っていく役割を僕らはヒューマンキャピタリストと名付けました。

だからヒーローとは違って、ヒューマンキャピタリストには有名な人が揃っています。もちろん僕も参加します。

また、ヒューマンキャピタリストはヒーローカードを買うだけではないというのも大切なポイントです。ベンチャーキャピタリストは支援しているスタートアップに「こういう事業をするんだったら、この会社紹介するよ」という感じで世話焼きもしますよね。

スタートアップ企業に経験のあるベンチャーキャピタリストが入ることで、いろんなノウハウや、コネクションを提供して、起業家の夢を加速させていくみたいなことができるわけです。それと同じことを人、個人という単位で提供できるようにしたいと思っています。

−将来的にはヒーローはどんどん増やしていくのですか?

将来的には全員がヒーローになればいいと思っています。そしてお互い夢があって、みんながそれを応援していくみたいな世界が作ることができたら理想的だと思っています。だからヒーローの採用基準や方法は今後のサービス全体の流れをみながらアップデートしていく予定です。

理想としては、例えば絵が物凄く上手くて才能があるけれど、家の経済事情で美大に行けない人が、「FiNANCiE」内でヒーローカードを販売することで得た資金で、その人の目標を実現できるような世界を目指しています。

人の夢を応援することで自己実現できるプラットフォーム

—「FiNANCiE」は一般のユーザー(ファン)にはどのようなメリットがあるのでしょうか

また企業に例えて話しますが、今の社会の中ですべてのビジネスパーソン全員が起業家になれるわけではないですよね。でも逆に言うと、人の夢を応援することで自己実現ができることもあると思っています。

「FiNANCiE」の仕組みでは、夢を追いかけるヒーローのカードを購入することで、「夢を追う人をサポートする人」も経済的なインセンティブを得られる可能性のある仕組みになっています。

僕はエンジェル投資、ベンチャー投資をたくさんしています。例えばdelyの堀江くんなど、もちろん成功して僕も儲かったけど(笑)、でも彼みたいな若者に出資するのは実は儲けたいから出資したわけではないんですよ。それよりは堀江くんはなんだか勢いあって、応援したいなって思って出資したんです。

実は投資家にとって、儲かるかどうか以上に、やっぱり自分が応援した若い子たちが頑張って成長して行った結果が世の中にいい影響を与えていることは、本当に嬉しいんですよね。自分の人生は1つしかないけど、投資することでいろいろな若者の人生を追体験できる、それが投資の面白さだと僕は思っています。

ただ現在はその感覚はやはり投資家しか味わえないですよね。「FiNANCiE」を使うことで、多くの人にも他の個人を支援する感覚や楽しさを味わってもらえるようになると思っています。

お金を稼ぐことの価値は落ちてきている

—近い将来、「FiNANCiE」のようなサービスを使って人に投資することと、金融商品に投資することが同じような価値になっていくのでしょうか?

ちょっと未来の話をすると、僕は投資してお金を稼ぐ価値は徐々に落ちてくると思っています。現在でも、物質的な豊かさと人生の豊かさがイコールじゃなくなってきていますしね。

もちろんお金を稼ぐことの価値はいきなりゼロにはならなくて段階があると思います。その段階のちょっと先の未来の世界では人々は資産の7割くらいは今まで通りお金を増やすところに投資すると思いますが、その残りの3割を本当に夢を追いかけている人のところに使うようになるのではと予想しています。

例えばちょっとお金持ちになったおじいちゃんが、資産の7割は株とか土地とかに投資するけど、残りの3割の資産は世界中で挑戦したいという若い子のヒーローカードを買って応援するというようなイメージです。

そしてそのおじいちゃんの3割のお金の一部が、貧しい国で「おれはサッカー選手になりたい!」と夢を見る若い子がいて、そこに「あ、こいつだったらいけるかも!」ということでその人のヒーローカードが購入されたとします。そしてその子がサッカーを本当に頑張って、将来ワールドカップで大活躍してゴールを決めて、ヒーローインタビューの時に、「どうですか!今の気持ちは!」と聞かれとします。そしたらその子が言うんです、「まず最初に言わせてください、◯◯さん、ありがとうございます。あなたがいたから今の俺がいます」と。イメージしているのは、そういった世界観です。

投資はどれくらい儲かるか、というのがその見返りでしたが、Financieでの応援の形は、少し先の未来ではこのようにそれと違った見返りに価値が出てくると感じています。

個人の時代の働き方

−これから個人の時代になったら、私たちはどのように働き方を選ぶようになるのでしょうか?

シンプルに考えると、今までの起業家のやりたいことは、その会社の事業ですよね。それを叶えるために、起業家は大きなビジョンや夢を掲げて、賛同してくれる人からお金を集めてきたわけです。

もちろんこれから個人の時代になっても、例えば自動運転車やロケットを作るには、今まで通り株式会社という組織と仕組みが必要だと思います。

一方、YouTuberになりたいときには正直、株式会社はいらないですよね。スポーツ選手や歌手、俳優、料理人、ダンサー、宗教家、哲学者、文学者など多くの夢に挑戦する時に、株式会社というフォーマットが最適ではないと思っています。

新しい個人の夢や目標の達成を応援するためのフォーマットを作ることができるかが、「FiNANCiE」の大きな挑戦です。

(おわり)

←前回「AIができないこと、多様性こそ人間の価値〜ドリーム・シェアリング・サービス FiNANCiE(フィナンシェ)創設者 國光宏尚氏インタビュー(2)」はこちら

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https://financie.jp/

 

記事編集:深谷その子・設楽悠介(あたらしい経済)

この記事の著者・インタビューイ

國光宏尚

FiNANCiE Founder CEO gumi Inc. 2004年、カリフォルニアのサンタモニカカレッジを卒業後、株式会社アットムービーへ入社し、同年取締役に就任。映画やドラマのプロデュースを手掛ける一方で、様々なインターネット関係の新規事業を立ち上げる。2007年、株式会社gumiを創業し、代表取締役に就任。2015年、VR/AR関連のスタートアップを支援する100%子会社Tokyo XR Startups株式会社を設立し、代表取締役に就任。2016年、主に北米のVR/AR企業への投資を目的としたVR FUND,L.P.のジェネラルパートナーとして運営に参画、また韓国にてSeoul XR Startups Co., Ltd.を設立し取締役に就任。2017年、北欧地域のVR/AR関連スタートアップを支援するNordic XR Startups Oy.を設立し、代表取締役に就任。2018年、gumi Cryptos匿名組合を組成し、仮想通貨・ブロックチェーン事業に参入。

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