ブロックチェーンは社会問題を解決出来るのか?/河崎純真

河崎純真

誰でも社会を作れる仕組みを作る

—具体的に河崎さんはあたらしい「器」をつくるために何をされていますか?

もちろん自ら新しい社会を作る計画を進めていますが、私はエンジニアなので誰もが社会を作れる「仕組み」を作ります。それで現在「Commons OS」というプロジェクトを進めています。これはコミュニティ内でブロックチェーン上に誰でも通貨を作れる仕組みです。

いま同時に進めている「GIFTED ACADEMY」は、社会の枠に合わなくて、生きづらい人々のためにつくりました。本当は素晴らしい才能を持っているのだけれども、社会の枠に合わなくて、生きづらいと人たちといっしょに、新しい社会、私たちが生きやすい社会を作って行こうというのが「GIFTED ACADEMY」の役割です。

ただ新しい社会を作って行くのだったら、社会を作る仕組み自体が必要なので、それは「Commons OS」でカバーします。「Commons OS」は、それぞれの価値で集合したコミュニティ同士に、それぞれの価値観や特性に合わせた社会システムをパッケージングして提供し、その社会システムに必要な要素をアプリケーション等で提供し、仮想通貨による経済圏を確保するサービスです。

既存通貨とコミュニティ通貨の共存の可能性 

—「Commons OS」で仮にコミュニティ通貨が作ることができても、古い柱と現在の新しい場所が綺麗には分かれないではないですか。つまり独自通貨はあっても、何かをやるときには日本の法律で土地は借りなければいけないし、多くのものは法定通貨で取引しなければいけない。どうやって共存していくイメージでしょうか。

行政や自治体といっしょに戦略特区を作ってそこで実証実験をやりましょう、という具体的な話は今出てきています。つまりちゃんと既存のシステム側と話をして、必要なものを提供いただくことは不可能ではないです。

福島県の会津大学では学内仮想通貨「白虎コイン」ができて、会津地方の地域仮想通貨に発展させようと実証実験が実施されています。また私も参加しているのですが、石川県加賀市は「ブロックチェーン都市宣言」をして地域が自律・自走していくモデルの創出を目指しています。

また日本政府自体もブロックチェーンや仮想通貨のポジションを世界的に取っていきたいという思いがあります。法規が進めば前向きにブロックチェーンを活用する国家になっていく可能性もあります。そうなるともっと私たちの取り組みとの接点も出てくるはずです。

また国外にもブロックチェーンに興味をもっている人々は沢山います。過去に私はヨルダンの大学で講義をしてきたのですが、非常にみなさん興味を持っています。

スペインのカタルーニャ自治州は、独自の仮想通貨とブロックチェーンを活用したレジデンシー(居住民)システムの使用を検討しています。クルディッサのクルドコインなど、すでに世界を見れば国家ではない新しい共同体のモデルが生まれてきています。これらの組織は地球上に登記されていません、ブロックチェーン上に登記されています。

このような新しい共同体は、今後も世界的に見ると増えていきます。それらが増えて旧来の社会システムと徐々に共存ができていけば、「柱」を壊さずに、社会システムを変えることが出来るのではないでしょうか。

(第3回につづく)

→この特集「天才エンジニア河崎純真には見えるブロックチェーンの未来」記事一覧はこちら

編集:設楽悠介(幻冬舎)

この記事の著者・インタビューイ

河崎純真

GIFTED AGENT株式会社 代表取締役社長
1991年生まれ。子供時代に、母親がアスペルガー症候群の診断を受け、障害者だからという理由で才能を活かす事が出来ない社会に問題意識を持つ。高校同等程度認定試験を中学卒業と同時に取得。 中学卒業後からエンジニアの知識を活かして働き始めた。
FXや株の自動売買システムや、物流ポータルサイトの開発運用、医療法人でのクラウド電子カルテの開発などを行った。17歳の時にTwitterの魅力に触れ、Q&AなうというリアルタイムQ&Aサービスのベンチャーに参画。18歳の時にOKWaveへ3000万円で事業売却を行った。
慶應義塾大学に入学後、創業メンバーとして1800万人のユーザーを持つ「Tokyo Otaku Mode」を代表とした複数のITベンチャーの立ち上げ、事業売却、役員業務等に携わる。現在は「GIFTED AGENT株式会社」「Common OS」などの事業を手掛ける。

GIFTED AGENT株式会社 代表取締役社長
1991年生まれ。子供時代に、母親がアスペルガー症候群の診断を受け、障害者だからという理由で才能を活かす事が出来ない社会に問題意識を持つ。高校同等程度認定試験を中学卒業と同時に取得。 中学卒業後からエンジニアの知識を活かして働き始めた。
FXや株の自動売買システムや、物流ポータルサイトの開発運用、医療法人でのクラウド電子カルテの開発などを行った。17歳の時にTwitterの魅力に触れ、Q&AなうというリアルタイムQ&Aサービスのベンチャーに参画。18歳の時にOKWaveへ3000万円で事業売却を行った。
慶應義塾大学に入学後、創業メンバーとして1800万人のユーザーを持つ「Tokyo Otaku Mode」を代表とした複数のITベンチャーの立ち上げ、事業売却、役員業務等に携わる。現在は「GIFTED AGENT株式会社」「Common OS」などの事業を手掛ける。

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ブロックチェーンに出会う前は、50年かけないと今の社会システムは変えられないと思っていたんですよね。国民国家資本主義社会システムの中でどうやって新しい仕組みを作ろうかと思考錯していた。でもブロックチェーンに触れて、このテクノロジーで新しい社会システムを作れると確信しました。