ブロックチェーンは社会問題を解決出来るのか?/河崎純真

特集 天才エンジニア河崎純真には見えるブロックチェーンの未来

河崎純真

「柱」をうまく壊すと毛沢東と呼ばれ、失敗するとヒトラーと呼ばれる。

私は起業家としてエンジニアとして、社会問題を解決したいと思っていました。しかし行き着いた最初の結論は「社会は変えることは出来ない」でした。今までのテクノロジーでは社会問題は解決出来ないと強く感じました。

なぜかと言うと、社会問題の根源は「柱」の問題だからです。WINDOWSをどんなにアップデートしてもWINDOWSにしかならない。今の社会問題は、内装が問題なのではなく「柱」が問題です。

建築に例えると、例えば150年前にできた建物は「柱」が老朽化しています。30年は持たないことが、みんな分かっている、しかし「柱」は壊せません。それは「柱」を壊すと建物が壊れるから。だからみんな改装したり補強したりをがんばるのだけれど、それでも問題の根本の「柱」は取り替えられない。

医療、教育、福祉、介護、政治など今の社会生活の基盤、つまり「柱」になっているものは抜本的に変えられない。

「柱」をうまく壊すと毛沢東と呼ばれ、失敗するとヒトラーと呼ばれる。

だから「柱」を替えるというのは非常に難しい。それは痛みを伴うから、だからみんな分かっているけれどやらない、やれないのです。教育が問題だ、医療が問題だ、政治が問題だ、みんな分かっているけれども、抜本的に変えられないのです。

「柱」を壊すためには一回全部壊さなければいけないんだけれど、そうすると建物も崩れるからどうしようも出来ないというのが、現在の社会問題だと私は思っています。

ブロックチェーンで社会問題を解決するために新しい社会を作る

日本においても多くの社会問題が解決できていないですよね。私はその原因は「ワイングラスにお茶を注いでいるようだから」と表現しています。

日本は本来「家父長文化」で、近代に西洋から資本主義・社会契約的な文化が持ち込まれました。「契約文化」の国でないのに社会契約論が持ち込まれて、本質的な文化に合わない社会システムが生まれた。これはまるでワイングラスにお茶を注いでいるような、中身と器が違う状態です。それが日本においても社会問題の多くが解決できていない理由だと思っています。

だからこそ不調和というのが起きている。前述の「柱」の問題と制度と、ワイングラスのお茶の問題で「社会を変えること」は出来ない。じゃあ私はどうするかというと「社会を創ればいい」と思っています。今の建物をどうにかするのではなく、新しい建物を別で作ればいいのではないかと。

今からブロックチェーンの新しいテクノロジーを使った建築方法で、新しい社会制度をやればいいじゃないかと思っています。さらに言うと1個新しい建物を作るのではなくて、100個くらい新しい建物を作る。

その方法は今の社会システムを否定しなくていい方法なのです。
もちろん「柱」は壊さなくていい。

だって今の社会システムが自分にとって良いと言う人もいっぱいいますよね。しかし、みんなこのまま行くと共倒れになる。年金や社会保障などが駄目になる。そういったとき新しい建物を作って、新しい方がいい人は新しい方、古いままがいい人は古い方をという状況を作るのです。

そうすると短期的には何も変わっていない。
しかし、状況は新しくなる。

それを長期的に見ると、新しい方にどんどん人が動いていくはず。そして老朽化している方の人が誰もいなくなったら、「柱」壊せばいい。

ブロックチェーンの革新性があれば、必ずあたらしい器を作ることが出来る

我々が大事にしているのは、器ではなくて中身ですからね、中身がよければそちらに人は、時間がかかっても流れるはず。

みんな本当は新卒一括採用や年金システムなどの社会制度という器を残したいのではなくて、本当はその中身、つまりコンテンツを残したいはず。要するに文化、歴史、人、この中身を残したいだけなので、その器である社会制度そのものはどうでもいい。

だから新しい器をちゃんと作って、そちらに差し替えましょう、と。別に古いものを否定する必要はなくて、歴史の流れとしていつか撤去するのは必然なので、それを否定しても意味がない。それはそのままで置いて、新しいものを作ろうということにブロックチェーンやトークンエコノミーが力を発揮する。

ブロックチェーンが持っている革新性があれば、必ず新しい器を作れると確信しています。それまでのテクノロジーではできなかった器を作れる。「柱」を壊すのではなくて、新しい器をいくつも作ることに、これから私もアプローチしていきます。

この記事の著者

河崎純真

GIFTED AGENT株式会社 代表取締役社長
1991年生まれ。子供時代に、母親がアスペルガー症候群の診断を受け、障害者だからという理由で才能を活かす事が出来ない社会に問題意識を持つ。高校同等程度認定試験を中学卒業と同時に取得。 中学卒業後からエンジニアの知識を活かして働き始めた。
FXや株の自動売買システムや、物流ポータルサイトの開発運用、医療法人でのクラウド電子カルテの開発などを行った。17歳の時にTwitterの魅力に触れ、Q&AなうというリアルタイムQ&Aサービスのベンチャーに参画。18歳の時にOKWaveへ3000万円で事業売却を行った。
慶應義塾大学に入学後、創業メンバーとして1800万人のユーザーを持つ「Tokyo Otaku Mode」を代表とした複数のITベンチャーの立ち上げ、事業売却、役員業務等に携わる。現在は「GIFTED AGENT株式会社」「Common OS」などの事業を手掛ける。

GIFTED AGENT株式会社 代表取締役社長
1991年生まれ。子供時代に、母親がアスペルガー症候群の診断を受け、障害者だからという理由で才能を活かす事が出来ない社会に問題意識を持つ。高校同等程度認定試験を中学卒業と同時に取得。 中学卒業後からエンジニアの知識を活かして働き始めた。
FXや株の自動売買システムや、物流ポータルサイトの開発運用、医療法人でのクラウド電子カルテの開発などを行った。17歳の時にTwitterの魅力に触れ、Q&AなうというリアルタイムQ&Aサービスのベンチャーに参画。18歳の時にOKWaveへ3000万円で事業売却を行った。
慶應義塾大学に入学後、創業メンバーとして1800万人のユーザーを持つ「Tokyo Otaku Mode」を代表とした複数のITベンチャーの立ち上げ、事業売却、役員業務等に携わる。現在は「GIFTED AGENT株式会社」「Common OS」などの事業を手掛ける。

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ブロックチェーンに出会う前は、50年かけないと今の社会システムは変えられないと思っていたんですよね。国民国家資本主義社会システムの中でどうやって新しい仕組みを作ろうかと思考錯していた。でもブロックチェーンに触れて、このテクノロジーで新しい社会システムを作れると確信しました。